AI教材を作り込んでいたら、完成する前に子どもが九九を覚えてしまった

幼児教育

「掛け算九九を、もう少し楽しく覚えられないか」

始まりは、それだけだった。

九九は81個しかない。

5回連続で正解したらクリア。間違えた問題は再度出す。

管理だけなら、それほど難しい話ではない。

ところが、せっかくAIを使うなら、子どもがやりたくなる教材にしたい。

いつも通りの斜め上仕様だ。

子どもの好きなキャラクターを出す。敵を倒す。コンボを作る。

ここまではよかった。

問題は、その先だった。

生成AIにキャラクターを描かせると、次の教材では別人になる。

「前と同じキャラクターで」と頼む。

髪型を指定する。服を指定する。設定表を作る。

ようやく安定したと思ったら、今度はPDFの文字が切れる。キャラクターが問題欄に食い込む。直すと別の場所が崩れる。

それが片付くとまた、キャラクターは別人に戻る。

気づけば教材作成どころではない。

キャラクターとPDFの品質管理

不具合が出るたびに指示を追加する。

追加すると、別のところが壊れる。

プロンプトは太っていく。

九九は81個しかないのに。

だったらCodexに移せばいい

コンボの管理。

正誤履歴。

次に出す問題の選択。

こういうものは、ChatGPTに長い文章でお願いするより、コードで管理した方がいい。

そこでCodexへ移すことにした。

確かに、こちらの方が状態管理は安定する。

ロジックも明確になる。

では解決したのか。

そうはいくか。

家族がCodexを使えない。

教材を作るたびに、私が一度介在しなければならない。

家庭教材としては、これは結構イタイ。

ChatGPTなら、その場で家族が使える。

Codexなら安定するが、私が必要になる。

では、最初から10回分くらいまとめて作っておけばいいのではないか。

でも、それでは前回の子どもの答案を見て、

「この問題はもう卒業」

「ここはまだ弱い」

という調整ができない。

5回コンボの管理も意味が薄くなる。

つまり、

ChatGPTは使いやすいが不安定。

Codexは安定するが家族だけでは回せない。

一括生成すれば楽だが、適応型教材ではなくなる。

全部欲しい。

でも全部は取れない。

そして、そのうちに子どもが九九を覚えた

それでも少しずつCodex側へ仕組みを移した。

ようやく形になってきた。

その頃には、

子どもが九九を覚えていた。

システム完成。

九九終了。

実に間が悪い。

ただ、考えてみれば当然でもある。

AI教材を作っている間にも、子どもは普通に勉強する。

先週できなかったことが、今日もできないとは限らない。

AIシステムの開発速度より、現実の方が速いこともある。

こういう時はAIの進化より人間のほうが速い。

では、無駄だったのか

ここで九九教材を完成させることにこだわれば、本当に無駄になる。

でも、Codex側に作った仕組みは残っている。

ならば、掛け算や割り算で使えばいい。

九九という課題は消えた。

仕組みは次へ持っていく。

最近、AIを使っていて思う。

「技術的にできる」は、あまり重要ではない。

もっと作り込めば、家族が使える仕組みにすることだって、おそらくできる。

問題は、

そこまで作る頃に、まだその問題は残っているのか。

ということだ。

AIを使うと、ついシステムを完成させたくなる。

でも、完成させたいのはAI教材ではない。

今回は、子どもが九九を覚えればそれでよかった。

そして九九が終わったなら、使える部品だけ持って次へ行く。

むしろ、そのくらいでちょうどいいのかもしれない。

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