今年の夏休み、わが家では少し変わった自由研究をした。
中学受験の過去問演習である。
もちろんプレーヤーは上の子。
開成、灘、筑駒。
さらに桜蔭、女子学院、雙葉。
男子最難関だけでも十分なのに、途中から女子御三家まで加わった。
別に全部を受験するわけではない。そもそもできない。
知りたかったのは、学校が変わると問題はどれくらい変わるのか。そして、問題が変わっても同じ失敗をするのか、だった。
開成は、最初は合格最低点に届かなかった
開成の過去問は、春から少しずつ始めていた。
最初に解いたのは2017年。
家庭採点では4科合計178点。
この年の合格最低点は195点だった。
17点足りない。
次に2016年。
213点。
合格最低点は196点。
今度は17点上回った。
夏休みに3年目の2015年は253点。合格最低点223点。
そして夏休み後半に取り組んだ2018年も、家庭採点では235点。合格最低点227点を上回った。
もちろん、これは本番での合格を意味する訳ではない。
自宅で解いているし、国語の記述など家庭採点で推定している部分もある。
ただ、
1回目は届かなかった。
2回目から、その年度の合格最低点を上回るようになった。
という変化そのものは残った。
AIには「解かせる」より「間違いを調べさせた」
今回、かなりAIを使った。
でも、AIに問題を解いてもらうことが中心ではない。
子どもの答案を採点し、間違えた問題について、
「なぜこの答えになったのか」
を一緒に調べた。
すると、知識がないから間違えた問題ばかりではなかった。
問題文に書かれていない条件を、頭の中で勝手に補っていた。
一度詰まると、その問題に長く居座った。
国語では、方向は合っているのに必要な要素が一つ足りなかった。
そこでわが家では、
「ハルシネーションしない。止まったら飛ばす。」
という、生成AIみたいな合言葉まで生まれた。
女子御三家を入れたら、もっと面白くなった
夏休みには桜蔭、女子学院、雙葉にも手を出した。
算数を解いて最初に感じたのは、
「あ、別競技だ」
だった。
国語はさらに、
「いや、もっと別競技だ」
だった。
同じ「最難関中学」の入試でも、求めているものはかなり違う。
難しい問題を解く力だけではない。
文章量への対応、初動の速さ、条件の整理、記述の組み立て。
学校を変えると、別の部分に負荷がかかる。
だからこそ面白かった。
過去問は「練習問題」ではなく測定器だった
今回の自由研究で一番変わったのは、過去問の見方だった。
以前は、
過去問=入試前にやる練習問題
くらいに思っていた。
でも、いろいろな学校を横断すると違って見える。
開成では出ない失敗が女子学院で出る。
筑駒では時間制約の中で別の癖が出る。
別の学校でも同じ失敗を繰り返せば、それは問題のせいではなく本人側の癖かもしれない、そういうエビデンスが増えてきた。
つまり過去問は、
その子が何を解けるかを見るだけでなく、どこで壊れるかを見る測定器
になる。
ただし、順位はそれほど変わらない
ここで妙なことも起きた。
これまでもAIを使ってきた。
それでも、普段受けている週テストの順位は、それほど大きく変わらなかった。
もともと上位にいると、能力が伸びても順位には表れにくい。
ところが、過去問では違った。
最初は届かなかった得点域に届くようになった。
以前なら止まっていた問題まで進める。
同じ失敗も少しずつ減ってきた。
週テストでは見えにくかった変化が、過去問をやると見える。
この違いが、この夏休みの自由研究でいちばんの収穫だった。
そして、この話を考えていたら、中学受験とはまったく別のことが気になり始めた。
会社ではよく、
「AIを入れたのに仕事が減らない」
と言われる。
家庭ではAIを入れても、親の作業時間は別に減っていない。
むしろ増えている気すらする。
それでも、過去問は以前解けなかった問題に届くようになった。
会社のAIも、同じことが起きているのではないか。
その話は、次の記事で考えてみたい。


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