中学受験の過去問でAIを使っていると、最近かなり作業がドライになってきた。
一般的に言えば「ルーチン化」の方が適切か。
子どもが解く。
AIが採点する。
どこで落としたかを見る。
必要なところだけ振り返る。
国語なら「答えの方向は合っているけど、要素が1つ足りない」。
算数なら「解法は分かっているけど、条件整理で崩れた」。
そんな感じで、答案から弱点を抜いていく。
これが成立するのは、考えてみると当たり前である。
過去問には、最初からゴールがある。
学校側が「このレベルまで来てくださいね」と問題を作ってくれている。
AIは、そのゴールと今の答案との差を見ればいい。
英検3級のライティングも似ている。
質問に答える。
理由を書く。
決められた語数に収める。
採点基準があるので、
「理由が弱い」
「質問への答えがずれた」
「文法ミスはあるけど内容は伝わる」
と分析できる。
つまり、中受も英検も、
ゴールは人間側で固定済み。
AIはそこまでの距離を測る。
という構造だ。
ところが、算数の先取り学習は少し違う。
たとえば2桁の筆算ができた。
さて、次は何をやる?
3桁に進むのか。
□入り計算にするのか。
文章題に行くのか。
暗算を鍛えるのか。
同じ単元でも、もっとひねった問題にするのか。
ここには「この順番が正解です」というゴールがない。
だから先取り学習でAIを使おうとすると、AIに求められる仕事が一段増える。
単に、
「何ができないか」を見つける
だけでは足りない。
「次に何をやらせるか」を決める
必要がある。
ここが面白い。
今回、手元の算数ドリルの写真を見せて、□入りのたし算・ひき算問題をAIに作らせてみた。
問題ごとに、
- 位取り
- 繰り上がり
- 繰り下がり
- 逆算
- 0をまたぐ計算
みたいなタグを付ければ、どこで崩れたかはかなり分析できそうだ。
でも、間違えたからといって、その種類を10問追加すればいいのか。
たぶん違う。
それでは個別最適化というより、単なる苦行である。
できる問題ばかりでも伸びない。
弱点ばかりでも嫌になる。
たとえば次の10問を、
できる問題 5問
少し考える問題 3問
弱点問題 2問
くらいにする。
弱点問題ができるようになったら減らす。
まだ難しければ、一段簡単な問題へ戻す。
つまりAIが調整するのは、難易度だけではない。
「できた」と「ちょっと難しい」の配分そのもの。
これなら少し面白い。
公文のような個別学習も、できるところから始めて、少しずつ先へ進む。
ただ、AIならそこに、
この子は今、どこで引っかかっているのか。
次は何を出すとちょうどいいのか。
という動的な判断を入れられるかもしれない。
中受の過去問は、
固定問題 × 動的分析。
先取り学習は、
動的問題 × 動的分析。
似ているようで、かなり違う。
過去問では学校がゴールを決めてくれる。
先取りでは、
次のゴールそのものを誰かが決めなければならない。
さて。
AIは子どもの弱点を見抜くだけではなく、
「次に何を勉強するか」まで決められるのか。
そしてそのとき、弱点を効率よく潰すだけではなく、
本人が嫌にならない配分まで考えられるのか。
まずは、□入りのたし算・ひき算あたりから。
算数の先取り学習で、少し実験してみようと思う。


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