『きんぎょ注意報!』35周年に寄せて

思考・構造

35年かけて一周した話

彼岸の親戚の集まりだった。

下の子が、私がAIで作ったプリキュアのオリジナル教材を親戚一同に見せていた。

多分、本人もそれなりに嬉しかったのだろう。

好きなキャラクターを題材にして、AIで算数や英語の教材を作る。

最近、我が家ではこういうことが普通になっている。

2026年ならではである。

それを見た実姉が、私に言った。

「そういえば、昔『きんぎょ注意報!』好きだったよね」

またそれか。

30年以上たっても、まだいじられるらしい。

これが、すべての発端だった。


30年以上ぶりに掘り返した

言われてみれば、確かに好きだった。

わぴこ。

ぎょぴちゃん。

そのあたりの記憶だけは妙に強く残っている。

でも、

なぜあれほど好きだったのか。

何がそんなに刺さっていたのか。

もう覚えていない。

気になって30年以上ぶりに原作の1話目を読み、AIにもかなり調べてもらった。

その結果が、先に書いたこの記事である。

→ AIと『きんぎょ注意報!』を掘っていたら、歴史の話になった

最初は、ただの懐古だった。

ところが掘っているうちに、

作品と作者。

セーラームーン。

プリキュア。

ガンダム。

暗黙知。

デジタルアーカイブ。

最後には、

「AI時代には誰でも少しだけ、小さな歴史家になれるのかもしれない」

みたいなところまで行ってしまった。

意味不明だ。

・・・

さらに、

人間が残した痕跡をAIで簡単に掘れるようになるなら、会社でそれをやったら結構怖いのではないか。

という余計なことまで考えてしまった。

その続きがこれである。

→ 禁忌注意報!

姉に昔の嗜好をいじられただけなのに、ずいぶん遠くまで来た。


35年かけて、一周した

でも、今回あらためて考えると、

発端がプリキュアだったこと自体が少し面白い。

『きんぎょ注意報!』は1991年にTVアニメが始まった。

その終了翌週、同じ土曜19時枠で始まったのが『美少女戦士セーラームーン』だった。

スタッフにも連続性がある。

そして、その後も東映アニメーションは女児向け作品を作り続け、ずっと先にプリキュアがいる。

もちろん、

『きんぎょ注意報!』から一本の直線でプリキュアが生まれた、

という話ではない。

それでも長い作品史を眺めれば、

『きんぎょ注意報!』はプリキュアから見て、遠い祖先のような場所にいる。

そして2026年。

プリキュアを見ている子どもが、

AIで作ったプリキュア教材を親戚に見せる。

それを見た姉が、

35年前の私と『きんぎょ注意報!』を掘り返す。

私はその作品をAIで掘り返す。

そして今度は、

35年前に自分が見ていた『きんぎょ注意報!』を、

自分の子どもと見ることになりそうだ。

プリキュアから始まって、

『きんぎょ注意報!』へ戻り、

わが子のところにしみ出す。

新しい作品が、古い作品を呼び戻した。

35年前の作品が、今度は次の世代へと。

輪廻というほど大げさなものではない。

でも、

35年かけて、ずいぶんきれいに一周した。


ところが、AIは35周年を教えてくれなかった

ここでもう一つ、妙なことがあった。

私は『きんぎょ注意報!』について、かなりAIに調べてもらった。

作品の歴史。

作者。

スタッフ。

その後の作品とのつながり。

いろいろ教えてもらった。

ところが、

AIは一度も言わなかった。

2026年は、TVアニメ『きんぎょ注意報!』35周年なんですよ。

後から自分で検索して知った。

しかも、

35周年を記念して、公式YouTubeで配信まで始まるという。

9月21日から、毎週1話ずつ。

各話2週間限定公開。

AIとあれだけ掘ったのに。

そこ、一番先に教えてくれよ。

さらに自分で検索すると、

ゲームソフトまで出ていた。

昔のグッズも、今なお中古市場やフリマサイトに残っている。

それもAIとの最初の探索では出てこなかった。

AIはかなり優秀だった。

でも、

本人に刺さるところを外してくることもあるらしい。

考えてみれば当然なのかもしれない。

AIにとって、

35周年も、

昔のゲームも、

古いグッズも、

大量に存在する作品情報の一つでしかない。

でも私にとっては違う。

35年前の自分が何を見ていたのか。

その作品が当時どこまで広がっていたのか。

その痕跡が、今も残っているのか。

そちらの方が、ずっと刺さる。

AIが知らなかったのか、知っていて拾わなかったのかは分からない。

ただ、

私が何を大事だと思う人間なのかを、十分には知らなかった。

AIに情報があることと、

その情報の意味が分かることは、

やはり少し違う。


でも今回は、そんな話ではない

……と、またAIの話を始めると、

35周年のお祝いなのに、いつもの話になってしまう。

今回は、それをやりたいわけではない。

AIが教えてくれなかった35周年を、

後から人間の私が知った。

それで十分である。

35年前。

私は子どもとして『きんぎょ注意報!』を見ていた。

当時は、見たければ放送時間にテレビの前へ行くしかなかった。

今はYouTubeで見ることができる。

そして今度は、

自分の子どもと見る。

35年前に自分が見ていた作品を、

35年後に子どもと見る。

こう書くと、ずいぶん綺麗な話に見える。

ただし、

子どもが最後まで付き合ってくれるかは分からない。

「何これ」

と言って1話で脱落する可能性も普通にある。

そもそも私自身、

これから始まる全54話に耐えられるかわからない。

それでも、

まずは第1話を一緒に見てみようと思う。

2026年のプリキュアから始まって、

1991年の『きんぎょ注意報!』まで戻ってきた。

せっかくなので。

AIは教えてくれなかったけど。

『きんぎょ注意報!』35周年。

おめでとうございます。

今度は、子どもと見ます。

完走できるかは分からない。

もしその頃までこのサイトが続いていたら、

完走報告くらいはしようと思う。

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