AIに子どもの開成算数を予測させたら、落とす問題まで当ててきた

実験ログ

ちょっと笑えない結果が出た。

小6の子どもが、初見の開成中過去問、2011年算数を実戦形式(60分)で解いた。

ただし今回は、解き始める前に一つ変なことをしていた。

ChatGPTに、

「この子が各設問を正解するかどうか、事前に予測してほしい」

と頼んでいた。

予測には、それまで蓄積してきた過去問演習(2012-2015)のログを使った。

単なる成績表ではない。

どの問題で止まったか。
最初に何を見たか。
どういう方針を立てたか。
どこで条件整理を間違えたか。
いつ総当たりに切り替えたか。
何分粘って飛ばしたか。
やり直したら解けたのか。

我が家では、こうした感想戦をかなり細かく残すことにしている。

そのログを読ませたうえで、2011年の問題に対する正誤を事前に予測させた。

結果は、

予測:7問正解、2問不正解。

そして結果も、

7問正解、2問不正解。

ここまでなら、

「だいたい実力帯を当てたんですね」

で済む。

問題は、その先だった。

不正解になると予測した2問まで一致した。

これが当時の予測内容である。


「7/9を当てた」だけではない

正直、最初に気持ち悪いと思ったのはここだった。

点数予測なら、それほど驚かなかったと思う。

過去の成績が十分にあれば、

「この年度ならこのくらい取るだろう」

という予測はできる。

しかし今回は違った。

AIは、

「ここは通る」
「ここは落とす」

を問題ごとに予測していた。

そして落とす場所まで一致した。

もちろん、これだけで何かが証明されたわけではない。

1年度、9設問だけである。

偶然かもしれない。

開成の問題構成に一定の傾向があり、過去のログと似た問題を拾っただけかもしれない。

AIの予測自体にも、かなり曖昧さがある。

だから、

「AIは子どもの思考を完全に理解した」

などと言う気はない。

むしろ、そう簡単に話が進んでもらっては困る。


正誤だけ当たったが、理由は外れていた

今回、そこも重要だった。

たとえば大問4のある設問は、AIの予測では「不正解」だった。

実際にも不正解だった。

ただし、AIが想定していた失敗の仕方と、本人が実際にしたミスは同じではなかった。

細かい話だが、子どもは時間切れで外したわけではない、大問3をスキップして大問4に取り掛かり、4(2)のYはあてたものの、Xを計算ミスで落とした。

つまり、

結果としての○×は当たった。
しかし失敗機序まで完全に読めていたわけではない。

これはかなり大事な区別だと思う。

後からいくらでも、

「ほら、この子はこういうタイプだから」

と説明を作ることはできる。

それでは意味がない。

だから今後は、

  • 正解/不正解の予測
  • その理由
  • 想定される詰まり方

まで先に固定した方がいい。

予測が外れたら、そのまま残す。


次は2010年

そこで次の実験をすることにした。

開成2010年。

今回と同じように、解答前に予測を固定する。

そして本人が実際に解く。

終了後に比較する。

2010年で外れたら、それはそれでいい。

むしろ一度、きれいに壊れてくれた方が安心する。

2011年の一致は偶然だった。

その可能性が確認できるからだ。

逆に、2010年でも同じようなことが起きたら。

そのときは、

「AIが中学受験の点数を予測しました」

では済まなくなる。

もしかするとAIは、過去の行動ログから、

その人が未見の課題にどう反応するか

をある程度予測しているのかもしれない。

そう考えた瞬間、この話は中学受験から少し外れる。

そして、かなり気持ちが悪くなる。

次回は、その話を書く。

これは「認知のデジタルツイン」の入口なのか。

まだ答えは分からない。

今のところ言えるのは一つだけだ。

ちょっと笑えない。

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